炭水化物を抜くダイエットは本当に痩せるの?
よく炭水化物を抜くダイエットは痩せると言われますが、これは本当のことなのでしょうか?
これは炭水化物ダイエットまたは低炭水化物ダイエットなどと呼ばれている方法ですが、炭水化物を抜いただけで痩せたといった話を聞けば、このダイエット方法がすごく気になると思います。
揚げ物や天ぷらを好きなように食べているのに楽に痩せた、という話も聞くとなおさら興味がわくはずです。
本当に炭水化物を抜くだけで楽に痩せられるのかどうか、炭水化物ダイエットの真実について解説します。
炭水化物を抜いてもカロリーの吸収率は変わらない
炭水化物さえ抜いていれば、揚げ物や天ぷらを好きなだけ食べても痩せるって言うのはなぜか不思議。もしかして、炭水化物を抜けばどれだけカロリーを摂取しても体に吸収されなくなるのでは・・・。
いいえ、そんなことはありません。炭水化物を抜いていても、摂取したカロリーは全て体に吸収されます。言い換えれば、炭水化物を抜くことに特別なダイエット効果はないということです。
じゃあ揚げ物や天ぷらを好きなだけ食べても痩せたって話は嘘なの?
はい、その通りです。揚げ物や天ぷらは高カロリーなのに、好きなだけ食べて太らないわけがありません。
たんぱく質で摂取したカロリーは全て吸収されない
でもたんぱく質が多い食品でカロリーを摂取した場合には、ダイエットに特別な影響を及ぼします。特別な影響とは、カロリーの吸収率のことです。
食品にカロリーがあるのは、食品が炭水化物かたんぱく質、または脂肪を含むからです。カロリーは炭水化物とたんぱく質、脂肪の3つの栄養素に含まれているのです。これら3つの栄養素を三大栄養素と言います。
各三大栄養素が含むカロリーに関して、炭水化物1gには4kcal、たんぱく質1gには4kcal、脂肪1gには9kcal含まれています。
もしたんぱく質を100g摂取した場合は400kcal摂取したことになるはずです。だけど、実はたんぱく質を100g摂取しても280kcalしか体に吸収されないのです。
じゃあ残りの120kcalはどこに行ってしまったのかというと、たんぱく質を消化吸収する時に消化活動でカロリーを消費したのです。
このような、消化吸収する時に消化のためにカロリーロスが発生することを、食事誘導性熱産生といいます。食事をしたことによりカロリーが消費されて熱エネルギーが産生されたということですね。
ご飯を食べた直後は体が熱くなって汗をかいたりしませんか?
食事誘導性熱産生はたんぱく質だけでなく、その他の2つの三大栄養素でも起こります。各三大栄養素を摂取した場合に食事誘導性熱産生でどれだけのカロリーロスが発生するのかというと、次の通りです。
たんぱく質…30%
炭水化物…6%
脂肪…4%
炭水化物と脂肪を摂取した場合にもカロリーロスは発生するけど、たんぱく質を摂取した場合にカロリーロスする割合がずば抜けて多いことに気が付いたはずです。
これが、炭水化物と脂肪の摂取量を減らして、その代わりたんぱく質の摂取割合を増やした場合のダイエット効果です。
炭水化物抜きで揚げ物、天ぷらばかり食べると太る
たとえ炭水化物を抜いたとしても、揚げ物や天ぷらばかり食べると太るのです。なぜ太るのかは上の解説を読むと理解できると思います。
炭水化物を抜いた分のカロリーをたんぱく質で摂取していれば太らなかったのですが、脂肪で摂取していたら全く意味がないのです。
むしろ、脂肪を摂取するのなら、炭水化物を摂取していた方がまだ食事誘導性熱産生によるカロリーロスが多いです。
以上の通り、炭水化物ダイエットは間違ったやり方でやっても全く痩せることはありません。同じ炭水化物ダイエットをしても痩せる人と太る人が両方いるのは、このような食べ方の違いが1つの原因になっています。
あなたがもし炭水化物ダイエットをやりたいのなら、炭水化物を抜いた分のカロリーを脂肪で摂取するのではなく、たんぱく質で摂取するようにしましょう。