セルライトをつぶすマッサージが逆効果になることも

マッサージでセルライトをつぶす必要性をよく聞きますが、マッサージのやり方を間違うとセルライトの悪化という逆効果を招く可能性もあるので注意が必要です。

「セルライトをつぶす」という意味は、リンパマッサージをしてリンパの流れを改善し、セルライトの原因である老廃物や毒素を体外へ排出させることのようです。

セルライトはマッサージで除去できるのか?

セルライトをつぶす方法がリンパマッサージである以上、脚など下半身のセルライトを除去することはできないと考えた方がよいでしょう。

脚など下半身のリンパ液はマッサージで流すことが非常に困難だからです。詳しくはこちらの記事「脚はリンパマッサージで細くならない」を参考にしてください。

さらに、セルライトの原因は肥満に伴う皮下脂肪の組織学的変化です。肥満のために脂肪細胞が大きくなり、皮下脂肪の表面が凸凹の形状になっているイメージです。

マッサージでリンパ液を流せたとしても、脂肪細胞が小さくなったり皮下脂肪の表面の凸凹が解消するわけではないので、セルライトは除去できません。

マッサージでセルライトが悪化する可能性も

なぜマッサージが逆にセルライトを悪化させる可能性があるのかというと、セルライトの原因は単純に皮下脂肪だけではないからです。

肌がセルライト状になっている人は、肌の真皮層にも変化があります。詳しくは「セルライトの除去には肌質改善も重要」を参考にしてください。

要するにセルライトの原因は単純に皮下脂肪の形状に問題があるだけではなく、肌質の変化も原因になっているのです。

皮下脂肪に凸凹というセルライトの原因があったとしても、肌に弾力があれば皮下脂肪の凹凸というマイナス要素をカバーすることができるわけです。

マッサージは丹念にやりすぎると、皮膚が伸びてしまう可能性があります。もちろん適度なマッサージくらいでは問題がないと思いますが、皮膚が伸びる方向へ力を入れ過ぎてマッサージをすれば皮膚が伸びてシワやたるみの原因になるでしょう。

皮膚が伸びれば肌に弾力がなくなり、皮下脂肪の凹凸というマイナス要素をカバーできなくなります。丹念過ぎるマッサージがセルライトを悪化させるわけです。

セルライトを除去しないと痩せないのか?

テレビなどでセルライトを除去しなければ痩せない、といった内容の番組を見ることがあると思います。

またはエステに行ってエステティシャンに「まずセルライトを取らないと運動してもさらに太る」ような趣旨のことを言われたなどです。

でもセルライトの原因は、肥満に伴う皮下脂肪の組織学的変化および肌の老化的な要素による現象なので、セルライトの有無と痩せやすさには何も関係がありません。

太ると脂肪細胞が大きくなる、または分裂して数を増やす。その結果として、皮下脂肪に組織学的変化が起こったわけです。肥満がセルライトの根本的な原因の1つなのに、まずセルライトを除去しないと肥満が解消しない、とは矛盾した論理です。

セルライトを除去しなくても問題なく痩せますので、安心して運動や食事制限をしてください。