脂肪溶解注射(メソセラピー)はリバウンドしない?
脂肪溶解注射(メソセラピー)で脂肪を溶かせばリバウンドしないとよく言います。美容整形のホームページの宣伝にも「脂肪溶解注射(メソセラピー)は脂肪細胞がなくなるのでリバウンドしない」と書かれていることも多いです。
本当に脂肪溶解注射を行えば今後二度とリバウンドすることはないのでしょうか?
まず知るべき必要があるのは、脂肪細胞というものは肥大して大きくなるし分裂して増えてもいくということです。脂肪細胞の数を減らせばもう脂肪細胞の数が増えることはない、というのは間違いです。
肥満のメカニズムについて少し書いてみます。肥満とは過剰な摂取カロリーを脂肪細胞に脂肪として蓄えることですが、脂肪を蓄える手段の1つとして脂肪細胞が肥大します。脂肪細胞が肥大することで脂肪を蓄えるということです。
一般的な普通体重の成人の脂肪細胞の大きさは70~90μmです。カロリーの過剰摂取で普通体重から肥満に近づくにつれ、脂肪細胞の大きさは徐々に大きくなっていきます。
しかし、脂肪細胞の大きさは130μm(普通体重の脂肪細胞の大きさから直径で1.3倍、体積で2.2倍)より大きくなることはありません。これは軽度の肥満(BMIで言うと約27)に該当する肥満レベルであり、脂肪細胞が分裂して増えることがなければ、どれだけ食べてもBMIが約27の軽度の肥満より太っている人は世の中に存在しないことになります。
しかしBMIが27以上の人は世の中に無数に存在することを考えれば、脂肪細胞は130μmの大きさまで肥大もするし、限界の大きさに肥大すれば分裂して数を増やします。
このように脂肪細胞が分裂して増えていくことを考えれば、脂肪溶解注射(メソセラピー)で脂肪を溶かせばリバウンドしない、というのが間違った考え方であることがわかります。
脂肪溶解注射で減らせる脂肪は、脂肪吸引などに比べればかなり少ないです。もちろん脂肪溶解注射を打った後も摂取カロリーが過剰になればリバウンドするので、脂肪溶解注射を打った後もダイエットは続けていく必要があります。