水泳のダイエット効果の実際は?消費カロリーや痩せる泳ぎ方

水泳のダイエット効果や痩せる泳ぎ方のコツ、消費カロリーなど、水泳に関する疑問について解説します。

もし1、2か月ほど水泳を続けても体重が全然落ちなかった場合、このまま水泳を続けても本当に痩せるのかどうか、とても心配になると思います。

水泳を続けていて足痩せの効果は実感しているけど、なぜだか体重は落ちてくれない、などといった悩み。

あるいは、水泳選手のようにハイペースで泳ぐと痩せるけど、ゆっくりペースで泳ぐ遠泳は痩せないといった情報。逆にゆっくり泳ぐ遠泳の方が痩せるといった正反対の情報。

水泳はジョギングより痩せないといった情報。水泳をすれば水中で体を冷やすので逆に太るといった情報など。

このように情報があふれていると、もう何が本当なのかわからなくなると思います。そこで、水泳でダイエットする場合の疑問について以下に解説していきます。

水泳を続けても体重が減らないのはなぜ?

水泳を数か月続けても体重が減らない場合、その原因としていくつか考えられます。

その1つの原因として考えられるのが、体全体の筋肉が増えたために、体脂肪が減っていてもトータルでは体重が減らなかった可能性です。

同じ体積当たりの脂肪と筋肉の重量を比べた場合、筋肉の方が重いです。脂肪が減った分と全く同じ体積だけ筋肉が増えた場合、体重はトータルとして重くなります。

脂肪が減ったのと同じ分だけ筋肉が増えると体は引き締まって見えるようになりますが、それにも関わらず体重は増えているのです。だから、水泳のダイエット効果は単純に体重だけで判断することができないわけです。

水泳は全身の筋肉を鍛える運動なので、水泳を続けていれば体全体がまんべんなく引き締まります。これは引き締まった美しい体型になれることを意味しますので、ダイエットにはプラスのことです。

水泳は体全体の引き締め効果が非常に高い運動なのです。

もし水泳でかなり泳いでいるつもりでも体重が減っていない場合、それは体脂肪が減って筋肉が増えたことを意味しますので、ダイエット効果は十分に引き出せています。

たとえ体重が減らなくても体全体の体型に変化が出てきているはずです。このまま水泳のダイエット効果を信じて続けてください。

体重はなかなか減らないかもしれませんが、ダイエット本来の目的である見た目の美しさは磨き上げられていきますので安心して下さい。

水泳はジョギングより痩せないの?

水泳をしてもジョギングほど痩せないと思うのは、上に書いた通り水泳が全身の筋肉を増やすことがそう錯覚させているのかもしれません。

ジョギングは主に下半身の筋肉を使うため下半身の筋肉を発達させますが、水泳は全身の筋肉を使うので全身の筋肉を発達させます。

トータルでは水泳の方が体の筋肉量を増やすのです。だから、たとえ水泳の方が体脂肪を多く減らしたとしても、水泳は筋肉も同時に増やすから体重が減らなかったという可能性があります。

ジョギングよりも水泳の方が消費カロリーが大きいです。単純に体脂肪を減らす効果だけを考えた場合、ジョギングよりも水泳の方が痩せます。

ハイペースとゆっくりの泳ぎ方はどっちが痩せる?

どちらの場合もやり方を間違わなければ問題なく痩せます。

例えば水泳選手のようにハイペースの速度で泳ぐ場合、ゆっくり泳ぐよりも消費カロリーが増えるので明らかに痩せます。

だけど、ハイペースで泳ぎ続けられる体力がない場合、25m泳ぐたびに休憩を入れているかもしれません。泳いで休憩、また泳いで休憩・・・。この泳ぎ方を30分続けた場合、実質的に何分間泳いだことになったのかが問題です。

例えば体重60キロの人が分速約70mの速度で30分泳いだ場合、その消費カロリーは315kcal程度です。分速約45mの速度で30分泳いだ場合は220kcalです。

だけど、分速約70mの速度で30分泳ぎ続けられるかどうかはその人の体力次第です。休憩を入れながら実質的に泳いだ時間が10分だった場合、消費カロリーは105kcalに過ぎません。

だけど、分速約45mの速度で休みなく30分泳いだ場合は220kcal消費します。

ハイペースで泳ぎ続けることができればその方がダイエット効果が大きいし、休み休みしか泳げないのならゆっくりペースでも泳ぎ続けた方がダイエット効果は高くなります。

水泳の各泳ぎ方の消費カロリーは?

代表的な水泳の泳ぎ方の1時間当たりの消費カロリーは次の通りです。(体重60キロの人の場合)

・平泳ぎ…567kcal
・クロール(約45m/分)…441kcal
・クロール(約70m/分)…630kcal
・背泳…378kcal
・バタフライ…630kcal

以下は1時間泳いだ場合の体重1キロ当たりの消費カロリーです。下の数値に自分の体重をかけた数値が、あなたが水泳を1時間した場合の消費カロリーになります。

・平泳ぎ…9.4kcal
・クロール(約45m/分)…7.3kcal
・クロール(約70m/分)…10.5kcal
・背泳…6.3kcal
・バタフライ…10.5kcal

例)体重74キロの人が平泳ぎを1時間した場合。

9.4kcal×74キロ=695.6kcal

体を冷やすと太るのか?

なぜ体を冷やすと太るという非科学的な情報が氾濫しているのかわかりませんが、科学的に言うと体を温めれば痩せないし、体を冷やせば痩せます。

体を冷やせば、体温を保つために熱エネルギーを生産してカロリーを消費しなければならないからです。

もっと言えば、日常的に体を冷やしていると、基礎代謝が上がって痩せやすい体質になります。なぜ体を冷やすと基礎代謝が上がるのかと言うと、体が冷えれば褐色脂肪細胞が増えるからです。

褐色脂肪細胞とは、2種類の脂肪細胞(白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞)のうちでも熱を生産してカロリーを消費するという特殊な細胞のことです。

日常的に体を冷やすことで体が体温を保つための防御反応を起こすため、熱を生産する役割を持つ褐色脂肪細胞が増えるというわけです。