L-カルニチンの脂肪燃焼効果は本当?
L-カルニチンは脂肪燃焼効果があるとされる成分で、ダイエットサプリとしてはかなり有名です。もしL-カルニチンの購入を検討している場合、L-カルニチンを飲んで実際にどれくらい痩せるのかがとても気になると思います。
そこで、L-カルニチンを飲むと本当に脂肪が燃焼するのか、またダイエット効果がどれくらいあるのかについて解説します。
L-カルニチンはミトコンドリアに体脂肪を運ぶ成分
まず、L-カルニチンと言う成分について書くと、L-カルニチンとはミトコンドリアに体脂肪を運ぶ役割を持つ成分です。
ミトコンドリアとは1つ1つの細胞の中にある小器官であり、細胞の中で呼吸をしてエネルギーを生産しています。だから、人間がエネルギーを出せるのもミトコンドリアのおかげだということです。
体脂肪を燃焼させるためには運動や基礎代謝でエネルギーを消費しなければなりませんが、細胞内にミトコンドリアがあるからこそそれができるわけです。
このようにミトコンドリアは脂肪燃焼に大きく関わっていますが、そのミトコンドリアに脂肪酸(体脂肪が分解されたもの)を運ぶ役割の一部を担っているのがL-カルニチンです。
さらにL-カルニチンの体内における生産量は加齢とともに減っていくので、L-カルニチンを補えば脂肪燃焼に効果があると言われています。だからL-カルニチンがダイエットサプリとして有名なのです。
L-カルニチンの科学的な評価
肥満成人35名にL-カルニチンを飲ませることで、体重や体脂肪率、BMIに変化があるのかどうかを調べた試験があります。
8週間の間、1日当たりL-カルニチンを200mgと共役リノール酸を700mg摂取させたところ、体重と体脂肪率、BMIの全てにおいて変化は見られませんでした。
L-カルニチンの効果を科学的に確かめた限りでは、2か月間毎日200mgずつ飲んでも何も効果がなかったということです。
また、その他の科学的な評価を考えても、これまでにL-カルニチンが肥満改善に効果があるという報告は見当たらず、動物においても体重と体脂肪の減少効果については否定的な報告があります。
動脈硬化の原因になる可能性も
さらに驚くことに、L-カルニチンの摂取が動脈硬化を促進させるという内容が、「ネイチャー医学」誌に掲載されたようです。
L-カルニチンを摂取すると体内の腸内細菌がTMAOという成分を生成し、これがアテローム性動脈硬化を促進させるということです。
また、L-カルニチンを継続的に摂取した場合、腸内細菌がTMAOを生産しやすい状態へと変化し、アテローム性動脈硬化をさらに促進させるようです。
まだL-カルニチンの科学的な評価が完全に定まったわけではないのですが、動脈硬化になりやすい体質の人は摂取を避けておいた方がよいのかもしれません。