体の引き締め効果が一番ある身近な運動はどれ?

運動で体の引き締め効果が一番優れているのは何でしょうか。身近な運動ならウォーキングやジョギング、水泳、筋トレ、自宅でエクササイズすること、などがまっ先に思いつくと思います。

また、これらの運動は加圧トレーニングなどと違って、思いついた時に誰でもすぐに始めることができます。何も特別な器具やインストラクターを必要とせず運動できるからです。

そこで「ウォーキング」「ジョギング」「水泳」「筋トレ」「自宅でエクササイズをすること」のうち、どれが一番体の引き締め効果がある運動なのかを解説します。

体を引き締めるには何をするべきか?

まず体を引き締めるために必要な要素を知る必要があります。どんな運動でもやればやるだけ体が引き締まるというものではないからです。

運動の種類によって体の引き締まり方も大きく変わってきますが、その運動の引き締め効果を左右する要素が2つあります。

その1つが脂肪を減らせる運動であること。もう1つが体に適度な筋肉を付けることができる運動であること。

この2つの要素を同時に満たせる運動が、もちろん体の引き締め効果を一番期待できるのです。

ただ、体を引き締めるこの2つの要素には「脂肪を減らすこと>体に適度な筋肉を付けること」という効果の優劣の差があります。

だから、最優先で目指すべきはまず体の脂肪を減らすことです。その次に余裕があれば体に適度な筋肉を付けることを意識するとよいでしょう。

ウォーキングは脂肪を減らす運動

ウォーキングが優れる点は脂肪を減らす運動である部分です。体の引き締めを目指す場合の優先順位はまず脂肪を減らすことなので、この点からウォーキングは体の引き締め効果が大きい運動であるといえます。

同じウォーキングをするなら歩く速度を可能な限り上げた方が効果が大きいです。なぜならウォーキングの引き締め効果はカロリーを消費することにあり、歩く速度を速くするほど消費カロリーが増えるからです。

例えば体重60キロの人が分速67m(犬の散歩や買い物程度)の速度でウォーキングを1時間した場合、その消費カロリーは126kcalくらいです。

これを分速107m(倍より少し遅い速度)に上げた場合、消費カロリーは252kcalくらいにまで増えます。速度を上げれば消費カロリーが倍になるのです。252kcalは35gの体脂肪に該当する消費カロリーです。

分速107mのウォーキングを毎日1時間ずつ30日間続けた場合、約1キロの体脂肪を減らせることになります。そして、体脂肪が1キロ減ればそれなりに体は引き締まって見えてきます。

ジョギングは体力のある人向け

ジョギングの引き締め効果も基本的にウォーキングと同じように、カロリーを消費することで体脂肪を減らすことから生み出されます。

だから、ウォーキングとジョギングの引き締め効果の違いは消費カロリーの大きさにあるということです。

上と同じ体重60キロの人がジョギングを1時間した場合、その消費カロリーは378kcalくらいになります。378kcalは52gの体脂肪を減らせる消費カロリーですが、ジョギングを1時間も続けるのはかなり体力がある人以外は無理があるでしょう。

せいぜい30分できればよい方ではないでしょうか。ジョギング30分なら消費カロリーも半分の189kcalに減ります。

それなら、分速107mのウォーキングを1時間することで、無難に252kcal消費する方が現実的かもしれません。もちろん体力がある人はジョギングを1時間やっても問題はありません。

水泳は体の引き締め効果NO.1

脂肪を減らすことという体の引き締め効果と、適度な筋肉を付けることという体の引き締め効果を2つとも同時に得られる運動が水泳です。

水泳が体を引き締める運動として一番優れている点は、運動としての消費カロリーの大きさと全身の筋肉を使うことの2点です。

体を引き締めるためにはまず脂肪を減らす必要があります。例えば、どれだけ筋トレなどをして筋肉を鍛えたとしても、鍛え上げられた筋肉の上にブヨブヨした脂肪が乗っかっていれば意味がないからです。

だからこそ、体を引き締めようとした場合に最も重要となるのが脂肪を減らすことなのです。

まず、体重60キロの人が平泳ぎを1時間行った場合、567kcal消費できます。クロール1時間の場合はゆっくりペース(分速45m)で441kcal、速いペース(分速70m)で630kcalの消費量です。

水泳を1時間もするのは体力的に無理な人もいると思うので、まずは30分続けることを目標にすればよいと思います。

水泳を30分するだけでも、上記の消費カロリーの半分は消費できます。水泳30分で分速107mのウォーキング1時間に相当するのです。

また、水泳は手も足も腰もすべて使う全身運動なので、体全体の筋肉をまんべんなく使います。これは全身の筋肉を一度の運動で全て鍛えられるということを意味します。

ウォーキングやジョギングなら足の筋肉を使うことが中心的になるため、全身の筋肉を全て鍛えることはできません。だけど水泳にはそれができるのです。

同じ身長で同じ体重の人でも筋肉が付いている人と付いていない人では、引き締まった印象がだいぶ違います。全身に適度な筋肉が付いている人の方がかなり引き締まって見えるのです。

以上のことから、水泳は体の引き締め効果NO.1の運動です。

筋トレの欠点は脂肪を減らせないこと

筋トレは確かに体に筋肉を付ける場合には優れた運動です。この観点から、2つの体の引き締め要素のうちの1つを満たしているとは言えます。

でも、筋トレの最大の欠点は消費カロリーが少ないことです。筋トレをやっても消費カロリーが少ないので脂肪をほとんど減らせないのです。

確かにボディービルダーがするようなきつい筋トレの場合は水泳に匹敵するくらいの消費カロリーを見込めると思いますが、30分休むことなく連続で筋トレをすることは不可能です。

水泳なら30分続けられるので30分しただけのカロリーを消費できますが、筋トレを休み休みやったところで、実質的に運動をした時間の短さから消費カロリーは少なくなります。

だから、運動を筋トレだけに集中して筋肉をたくさん付けたとしても、鍛えられた筋肉の上にブヨブヨの脂肪が乗っかった状態になります。

また、水泳と筋トレを比べた場合の違いですが、水泳は全身の筋肉をまんべんなく使って引き締められることに対して、筋トレは1回の運動で体の一部を鍛えられるだけです。

全身運動と部分運動の違いが、水泳と筋トレの違いと言えます。

自宅でエクササイズすれば引き締まるのか?

エクササイズは基本的に有酸素運動ですが、エクササイズの種類によっては軽い筋トレに近いような要素を含む場合もあります。

このことから、エクササイズの種類によっては水泳と同じように脂肪を減らしながら、さらに筋肉を適度に鍛えることもできます。

例えば体重60キロの人がエアロビクスを1時間すれば消費カロリーは346kcal(48gの体脂肪が減る)です。この消費カロリーなら脂肪を減らす効果が十分にあるといえます。

また、エアロビクスのような手も足もまんべんなく動かす運動なら、体の全身の筋肉を適度に鍛えられるので引き締め効果も大きいです。

水泳の次に引き締め効果が大きい運動と言えなくもないでしょう。

ただし、ヨガのような軽いエクササイズは消費カロリーが極端に少なくなるので、運動時間に対する引き締め効果はかなり少ないといえます。

エクササイズの引き締め効果はそのエクササイズの種類によるというわけです。