便秘の原因から便秘の解消法を決める

便秘解消法は便秘の原因を知ってから決めるべきです。なぜなら個人によって、また同じ個人でもその時々の状況によって便秘になった原因が異なるからです。例えば今回の便秘の原因が運動不足であった場合、食物繊維を多く摂取しても的確な便秘解消法にはならないからです。

運動不足が原因で引き起こされた便秘なら運動を行うことが的確な便秘解消法になりますし、食物繊維の不足が原因の便秘に対しては食物繊維の摂取が的確な便秘解消法になります。

では、便秘の原因を以下に解説します。


1.排便を我慢する習慣で排便が起こりにくくなった。

腸に便がたまると、それを排出させようとして蠕動運動が起こります。具体的には食べたものが小腸から大腸を通って直腸まで達した時に、直腸へ達した便を排出させようと蠕動運動が引き起こされるのです。

普段からこの便意を我慢しなければ、今後も便が直腸に達した時には自然と便意が起こります。しかし普段から便意を我慢する習慣を持っていると、徐々に便が直腸に到達しても便意を感じなくなります。

この場合の便秘解消法は、便意を感じた時には我慢しないことです。少しでもトイレに行きたいと感じた時にはすぐに行きましょう。


2.ダイエットなどで食べる量が減ったため便が出ない。

腸に十分な便がなければ排便は起こりません。例えば断食や置き換えダイエットなどで極端に食事量が減った場合、便の量が十分にないので排便の回数は減ります。あまりむちゃなダイエットはしないようにしましょう。


3.水分の摂取量が少ないため便が硬い。

便が十分な水分を含んでいないと便が硬くなり、排便が困難になります。水分をしっかり補給するようにしましょう。


4.食物繊維の摂取量が足りていないので便が出にくい。

炭水化物や動物性たんぱく質など、食物繊維が不足した食生活を送っていると便がスムーズに出ません。食物繊維は便のカサを増やしたり便の通過をスムーズにする役割を持っています。

白米を食べているなら発芽玄米に変えてみる、野菜や豆類の食品を十分に摂取するなどして便のスムーズな排出を助けるようにしましょう。


5.不規則な生活や朝食を食べていないこと。

毎朝きちんと規則正しく起きて朝食を食べることで、朝の便通が起こりやすくなります。食べ物が胃の中に入ると腸が便を送り出す反応のことを胃・大腸反射と言います。これは朝食を食べた後に起こりやすいという特徴があります。


6.腸内環境が悪化しているので便が停滞している。

動物性たんぱく質や脂肪の多い食品の摂取量が多いと腸内環境が悪化し、便のスムーズな排出を妨げてしまいます。

動物性たんぱく質や脂肪の多い食品を避ける、食物繊維をしっかり摂取して腸内環境を改善させる、オリゴ糖を摂取して腸内環境を整えるなどが効果的です。


7.運動不足や腹筋力の低下で腸の働きが鈍い。

運動不足であったり腹筋力が弱いと腸の働きが鈍くなります。ウォーキング程度の軽い運動で構いませんので、毎日少しずつでも運動を行う習慣を持ちましょう。また、腹筋や腹式呼吸などで腹筋力を鍛えることでも便を送り出す力が強まります。


8.ストレスが原因で痙攣性便秘を引き起こしている。

ストレスを強く感じると大腸の蠕動運動が強くなりすぎ、痙攣してしまって逆に排便をスムーズに行うことができなくなります。この場合はストレスの緩和が便秘解消法になります。


9.睡眠不足が原因。

睡眠不足も便秘の原因になります。心当たりがある場合はしっかり睡眠を取れるように工夫しましょう。


10.下剤や浣腸、便秘茶の使用が習慣になっている。

下剤や浣腸、便秘茶を繰り返して使用することで、腸の働きが鈍くなって最後には自力での排便が困難になります。下剤、浣腸、便秘茶の使用が逆に便秘を助長させるということです。便秘をこれ以上悪化させないためにはこれらの使用を断ち切りましょう。

隠れ便秘茶の一種として、ダイエット茶が挙げられます。ダイエット茶は見せかけの体重を減らすために下剤成分を配合していることが多いからです。ダイエット茶が原因で便秘が悪化することもあるので注意しましょう。


11.病気が原因で便秘を引き起こしている。

大腸ポリープ、腸管癒着、腸閉塞、高血圧治療中、糖尿病など、特定の病気が原因で便秘になっている場合もあります。上記の原因に当てはまらない場合、病院で医師に相談してみましょう。